住まいづくりのアドバイス(2)

【室内空気汚染(シックハウス)から化学物質過敏症】

■昔の家にも空気汚染はあったのでしょうか
自然素材の中にある健康上良くない物質も検出されるでしょうが、昔の家のつくり方は内外とも真壁づくり、開口部も木製で気密性がなく自然と十二分な換気がなされており、また家づくりの工期も長く入居するまでに安定した室内環境になっていたと考えます。

建築材料がここ40年ほどで急に変化した中で建材などによる空気汚染が私たちの健康に影響を与えています。
長い間建材として使用されてきた日本人に馴染みのある木、土、紙をもっと仕上げ材においても使うべきでしょう。
■住宅構造の変化
夏の高温多湿、冬の低温乾燥といった気候風土に日本の伝統的木造建築はうまく順応してきました。
開放型の住宅
であったと言えます。
冬場の隙間風対策、木製雨戸の開閉のわずらわしさなどからアルミサッシが普及するにつれ住宅の気密化が進んでまいりました。省エネといった社会的要請もあり冬向きの閉鎖型住宅、断熱・気密性が高く住宅の過密化と伴って換気計画の難しい家が多くなりました。

開放型の建物は、木材や土壁に代表される吸放湿性材料で高温多湿な風土への対処をします。また内外とも真壁造りを基本としますので、木がきちんと呼吸をし耐久性の高い構造物となります。
反対に大壁造りにしますと、呼吸のできない木、結露など湿ったあと乾燥不可能な木は腐朽菌などによってその寿命に影響します。

閉鎖型の住宅は、温湿度の内外の明確な区別、つまり室内の温湿度の保持を基本とし結露防止など防湿及び気密層を室内側に施工します。
気密化の高い住宅ほど換気計画も高いレベルが必要です。
■使用材料の変化
快適な生活を目標に自然素材がどんどん工業化された建材に変わりました。
無垢の板は合板へ土壁は壁紙へ、その多くが合理化や利便性を求める事で変わりましたが、その結果失われたものが多くあります。

特に石油系の建材が多くなりました。その幾つかが空気汚染の原因の一つであったりします。代表的なものにビニール壁紙の原料ポリ塩化ビニールがありますが熱分解すると塩酸やダイオキシンのような有害な有機塩素化合物のガスを生成します。製品中にはポリ塩化ビニール以外に可塑材、防カビ材、安定剤、発泡材、難燃剤などが配合されています。
■公的な対応
平成14年政令第393号により、建築基準法等が一部改正されました(平成15年7月1日施行)。
これにより、居室を有する全ての建築物に対して、以下のシックハウス対策の規制がなされます。

  ・クロルピリホス(防蟻剤)を添加した建材の使用禁止
  ・ホルムアルデヒドを発散する建築材料をグレード別に使用面積の制限をする。
     →JIS、JASの改正によりホルムアルデヒド放散量を☆の数で分類(F☆〜F☆☆☆☆)
       また、評価の対象となる建材に、壁紙、塗料、接着剤、断熱材等も加わる。
  ・換気設備設置の義務付け
  ・天井裏等の制限

また、今回規制の2物質を含む13物質に対して厚生労働省が化学物質の室内濃度の指針値を定めており、その中の6物質に対しては品確法によって申請者が住宅性能表示で濃度測定を選択することができます。
今後、規制物質は追加されていくことと思います。

   ・建築基準法改正等については、国土交通省のページへ
   ・シックハウスについては国土交通省住宅局へ
■住まい手の対応と現状
・ご自身が化学物質に敏感だと感じれば、なるべく、ホルムアルデヒドなど、シックハウス症候群を引き起こす可能性のあるものは避ける。
 F☆☆☆☆であってもホルムアルデヒドが少量含まれています。化学物質を全く含まれていない自然素材などを選ぶことも重要です。
 新しい家具やカーテン、じゅうたんにも化学物質を発散するものがあるので注意が必要です。

・新築当初は、室内の化学物質の発散量が多いので、計画的な工期設定と時間的余裕を持って入居する事。合板、ボード類など時間を経るにつれ空気汚染をする化学物質は放散量が低減します。特に完成から入居の間に十分な換気に気をつける事です。
 
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