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□ 2003.2.25
高齢者への対応について連載でお話させていただきます。
使用する人が決まっている住まいのバリアフリーは、設計者として対応し易いはずですが失敗例を耳にします。
日常生活における不便な点や不都合な点を明確にし設計者に伝えてください。
手すり一つとっても、取付け高さ、手すりの形状など人によって違います。
高齢で握力のない人には細身の手すりではなく、手のひらで体を支え易い手すりが必要で、その取付け高さも違います。
加齢とともに出てくる障害はさまざまです。
排せつの問題など人の尊厳に関わる部分もありますが、本人の日常の動作などご家族の愛情もって把握してください。
住まいを新築や改造するにあたり、家族の方が介助し易いことも大切です。
また家は高齢者のためだけではなく家族全員にとって住み易く楽しいものでなくてはなりません。
階段を小学校の階段のようにゆっくり作るだけで住まい手の動きは変わります。
体を動かすということでは高齢者の方も大切な事で、動き易いように工夫する事が設計のうえ重要なポイントになると思います。 |
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(富本・記) |
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□ 2003.4.25
人間は誰でも加齢と共に身体的運動機能、感覚機能生理機能の低下を免れる事が出来ません。それがなるべくゆっくりと進むような方向に持っていく事を前提に、建築的・物理的にはもちろん心理的な障壁となるバリアーもなくすという考え方で捉えて行きたいと思います。
具体例を参考にお話ししましょう。
施主(85才の自立可能な高齢者)は1人暮らしで、依頼はその娘さんでした。
高齢になった母が1人暮しを安全に快適に過ごせる様にと家族が手伝いに行っても使いやすい住まいをと言う事でした。
今回は一番長時間過す寝室についての配慮についてです。
配置としては日当り、風通しの良い所で外部からも直接いける事。
家族との共有の場所とは気配がわかる位置関係に。
ベッドの方が使い勝手が良いので洋室としました。
便所への距離は短く、その通路は広く、出入り口の安全を確保する為、Vレールで段差をなくし開閉が楽な軽い建具で、明かり窓をとって中の気配がわかる様にしました。
収納の量の確保とパイプや棚で整理しやすい様に。
照明は明るさを十分に取り、間接照明やカバー付きのダウンを使用して、光源が直接目に入らない様。
又、天井材は桧の板張りにして目にやさしい質感と色彩にして、体に触れやすい壁に和紙を使いました。
床暖房で温度のバリアをなくす事は室内での行動を容易にします。 |
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(松本・記) |
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□ 2003.6.25
簡単に言ってしまえば、バリアフリーとは床の段差をなくす事と一般的には解釈されています。
和室も洋室も床はすべて段差なし、だからバリアフリー住宅ですという家が多いです。
和室の床の高さについて考えてみてください。
お年寄りにとってわずかな段差は見えなかったり気がつかなかったりしてつまずく大きな原因であることは確かです。
ではいっそのこと大きな段差にしてしまえばどうでしょう。
際だった段差があれば気がつかなくてつまずくということはないはずです。
和室は床に座るのが前提なのだから、むしろ座り易い床の高さにすればこれが本当のバリアフリーの和室ではないでしょうか。
立った姿勢から床に座り込むことは結構エネルギーを使いますしバランスも崩し易い。和室がちょうど椅子の高さ位上がっていたら椅子に座るように和室の床に座り込むことができるし和室に座った人と洋室で立った人の視線が同じになってコミュニケーションが取りやすいというメリットもあります。
「畳の上で死ぬ」という日本人の人生観がありますが、老人は畳の部屋ということをそもそも考え直す必要があります。 |
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(吉川・記) |
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□ 2003.8.25
バリアフリーの用語の定義に付いて説明をします。
バリアフリー住宅といえば、誰もが思い浮かべるのが「段差」でしょうか?
段差には、単純段差、またぎ段差、段差無し、の三つ種類があります。
まず、段差無しは室内で3mm以内、玄関戸の敷居では2p以下を言い、またぎ段差とは文字通り、両方から見ても上方に段があり、またがなくては超せない段差で、危険度が高く、使い辛い段差といえます。
最後に単純段差は一方から、上がるか下がるかどちらかの形状で、段差を分かり易くするために仕上げの色を変えたり、手摺を付ければ、比較的危険度の少ない段差になります。
以上から、「段差無し」をバリアフリーと決め付けずに、安全対策をきちんとした段差を残す事で、高齢者には適当な運動になる事があります。
段差のない家を新築してから運動不足になって、体調を崩す高齢者もおられると聞きます。
昔の家は、普通の生活をするだけで適当な運動ができていたかも知れませんね。
住まいから段差をなくして運動不足になり、別の病気にかかったのでは本末転倒では?と思うのは私だけでしょうか。 |
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(猪谷・記) |
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□ 2003.10.25
高齢者、障害者本人やその介助にあたる人にとっての住まいの基本はスムーズに楽に移動ができることです。
狭くて折れ曲がった通路を長い距離移動することは負担であり危険でもあります。
間取りや動線をシンプルに整理することがバリアフリーの基本と言えます。
またシンプルな平面計画と合わせて、一つの部屋に二方向からアプローチ出来るようにします。
住まいの中に行き止まりをつくらず、回遊性のある動線をつくり、車椅子の移動をしやすくしたり、生活の変化にも対応できる間取をつくることを心がけて下さい。
ドアーの形状は開閉するときに身体の位置を変えずに開閉できる引き戸を利用することで、室内移動の自立性と安全性が高くなります。
また手すりなどは、必要と思われる所とその周辺には下地を入れておき、必要に応じて場所を変えたり、位置を調整したり出来るような配慮も必要だと思います。 |
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(堀・記) |
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□ 2003.12.25
室内温度のバリアフリー
高齢者の場合、自宅内の事故による死者の方が交通事故死によるものより多いのをご存知ですか?後者が昨年9千人を切っているのに比べ、前者は毎年1万人以上にものぼるそうです。
自宅内の事故原因で多いのは、1位が溺死・溺水、2位が転倒や転落死で、この2つで全体の半数近くになるそうです。
この溺死、転倒死がどこで起こるかというと、浴室や洗面・便所などの水周りであると想像されます。
物理的なバリアフリーについてはよく議論されていますが、実は冬場における室内の温度差が原因でこれらの事故を引き起こしているという、メカニズムがだんだんと解明されてきたことです。高齢になると基礎体力の低下とともに心身両面で環境変化に対する対応力が低下します。急激な変化が起こった場合、若い人には我慢できる状況でも、高齢者にとっては脳梗塞や心筋梗塞を引き起こし、その結果転倒や溺死といった事態に発展します。
自宅内では極端な温度差を生じないよう、適切な性能を確保するとともに、正しい生活スタイルを身に付ける事が肝要です。 |
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(坂田・記) |
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